平成28年2月度障害年金勉強会開催報告

以下のとおり勉強会を開催いたしました。

日時:平成28年2月27日(土) 13:30~15:00

会場:障害年金ヘルプデスク本部(広島市)

テーマ:「不支給決定に対する不服申し立てをしている間に脳梗塞を発症し、発症6ヶ月後に肢体障害が症状固定」の請求事例

 

請求当初から会員社会保険労務士が関与した精神疾患の患者さんです。請求結果は「症状が軽度のため不支給」だったので、そのまま権利回復のための不服申し立て手続に移行します。そして不服申し立てにより審査のやり直しを求めている最中、この患者さんが脳梗塞を発症されました。後発の脳梗塞は、発症(初診日)から6ヶ月後に主治医の先生の診断で症状固定と判定されました。

 

手続上の「症状固定」とは、現代医学をもってしても治療効果が期待できない最終状態に至ったものとされています。通常、初診日から一年六カ月経過した時点を障害認定日といい、この時点の障害状態が認定基準にあてはまるか否かによって障害年金の対象となるかが判定されます。ただし、一年六カ月経過前に症状固定が認められる場合は、その時点を障害認定日とする特例があります。

 

この患者さんの場合、不服申し立てで障害程度を争っている精神疾患と、後発の脳梗塞に相当因果関係が認められません。相当因果関係というのは、「前の病気がなければ、後の病気を発症しない」という考え方です。したがって、不服申し立ての手続と並行して、脳梗塞の肢体障害による請求を新たに起こすことが技術的には可能です。別個の請求として診査が行われます。

 

この手続周辺に関する制度について、会員で再確認しました。今後もたくさんの事例をシェアし、あらゆる可能性を考えて適切な保険給付が患者様に届くようご案内してまいりたいと思います。

今月のキーワード:

「不服申し立て」 「障害認定日の特例」 「相当因果関係」

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